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専業主婦卒業宣言!

三十路子持ちの専業主婦が、『共働きです!』と言えるよう奮闘する日記です。漫画、ドラマ、育児たまに真面目な話題などを取り上げます。

「夫のちんぽが入らない」詳しい内容と感想。夫婦ってなんだろう?

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「夫のちんぽが入らない」詳しい内容と感想。夫婦ってなんだろう?

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こんにちは!月城です。

 

今回はタイトルがかなりショッキングで、話題にもなっている本「夫のちんぽが入らない」を今回読んでみたので、内容、感想を共に書いていきます。

 

 ブログを書いていて日々、ネタやタイトルに悩んでいる私ですが、この本は思いっきりタイトルと、話題性に飛びつき一気に読んでいしまった本です。

 

そして内容を読み、私と同じ「普通」になれなかったことで苦しんでいる作者のこだまさんに多いに共感し、この本を紹介したいと強く思いました。以下大いにネタバレもしますので、未読の方はお気を付けください。

 

概要

『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)は、著者のこだま氏が「文学フリマ」で発売した同人誌「なし水」に寄稿した同タイトルの短編が元になった自伝的私小説です。

 

この本は、そのインパクトのある題名から新聞広告を打てない、書店でタイトルを発言するのが難しく探し当てられないなど、発売当初から多くの困難を抱えていました。

 

しかし、3月現在では、書店員に題名を言わなくても注文できる専用の注文書ができるなどの効果もあり、13万部を突破する大ヒットになっています。

 

著者のこだまさんは、北海道の「最果ての集落」から、大学進学で東北地方の地方都市に住むことになります。

 

そしてその、新居の古びたアパートで出会った男性(後に夫となる)と交際をはじめ、教員として勤務し、その男性と順調に交際を進め、結婚することになります。

 

しかし、この「入らない問題」がこの後二人の結婚生活に、少しずつ少しずつ影を落としていきます。

 

「夫のちんぽが入らない」は夫と出会ってから現在までの20年間を赤裸々に、独特の文体でつづった小説です。

 

 

詳しい内容

ここからは、多分にネタバレを含みながらの感想になります。

 

冒頭

いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。

引用: 夫のちんぽが入らない

 冒頭から、このタイトル のインパクトやユーモアさとはかけ離れた、かなり重いテーマだということがわかります。だって、結婚してから一度もですよ?もう一度言います「一度もですよ?」

 

しかもお互いが好きじゃなかった、とかそういうことではなく、「純粋」に「物理的」にできないっということです。

 

こだまさんの夫の言葉を借りると

行き止まりになっている。

引用: 夫のちんぽが入らない

ということです。また、一度だけの失敗で「入らなかった」っというのではなく、お互い何度となくチャレンジして「どうしても、入らなかった」という点が、より悲哀を感じました。

 

 

また、この後彼女は念願だった教師になりますが、荒れたクラスを担当することになり、そのクラスが「学級崩壊」を起こしてしまいます。

 

彼女が感じていたのは、いつも「普通」少しずれている自分でした。田舎から都会に出てきたせいか、そもそも彼女の性分なのか、いつも周りからワンテンポ遅れてしまい、周りをイラつかせてしまいます。

 

その後、学級崩壊の責任を感じ精神的に病んでいく彼女。

 

そして、夫もパニック障害を起こしてしまいます。

 

精神を病んでいく中、夫は風俗に通い、そして彼女は出会い系で知り合った男性と不倫に走る。

 

そう彼女の「できない」は夫限定ののことで、不倫相手とは問題なく「できてしまう」のです。

 

 

お互いの不貞

夫の風俗通いについてこんな一文があります。

そもそも、ちんぽの入らない私が悪いのだ。血まみれ、オイルまみれになって痛がり、気分をぶち壊してしまう私がいけない。風俗へ行くことを許さなければいけない。

引用: 夫のちんぽが入らない

彼女は夫の風俗通いについて、しょうがないと諦めていました。「できない」自分が悪いのだと。

 

また夫の通う風俗店での、夫のあだ名は「キング」だったそうです。

 

このあだ名からすると、夫の方にも「入らない」問題の一端があるように思えてきます。

 

しかし風俗店では夫も問題なくできてしまっため、これは自分の方が悪いのだと、自分がおかしいせいでできないのだと、より彼女は自分を責めてしまいます。

 

 

そして学級崩壊のことを気に病み、彼女は心のバランスを崩し、行きずりの相手と不倫に走ってしまいます。そして、その不倫相手とは問題なく事を進められるために、より不倫相手と逢瀬を重ねる日々が過ぎていきます。

 

夫は風俗、本人は不倫。はたから見たら、もう完全に機能していない夫婦関係ですが、二人は夫婦でい続けることを選びます。

 

また彼女のの一つの特徴として、全てを内に秘め、自虐的にとらえ解決策を積極的に見つけていこうとしません。

 

 また出来ないことについて、本文にはこんな一文もあります。

私たちは本当は血の繋がった兄妹で、間違いを起こさないように神様が細工したとしか思えないのです。

引用: 夫のちんぽが入らない

 彼女たちにとって、出来ないということを理解するには、こういう事まで考えなくてはいけなかったという、悲壮な思いがうかがえる一節です。

 

妊娠への挫折

学級崩壊したクラスをどうしても、立ち直らせることが出来ず、彼女は小学校を退職します。そしてその責任を感じ、精神を病んだ後、さらに自己免疫疾患を患い、全身に異常をきたしてしまいます。

 

服薬のせいで妊娠が出来なかった彼女ですが、年齢的に最後のチャンスとだと腹をくくり、減薬して妊娠しようと奮闘します。

 

しかし、無理な減薬が彼女の体に負担をかけ、病気は悪化してしまいます。そこでやむなく薬を再開しますが、そうこうしているうちに36歳で、なんと早期閉経してしまい、二度と子供を授かれない体になってしまいます。

 

閉鎖的な田舎から脱出し、運命の相手に出会ったはずが、その相手と夫婦生活ができない。夢だった教師になったはずが、うまくいかず学級崩壊を起こす。想い合っているのに、夫婦生活ができないから、お互い不倫や風俗にはしる。どうにか自分を奮い立たせ、妊娠を希望するがまさかの早期閉経。

 

神様はどこまで彼女に試練を課すんだ?と思うくらい、絶望するような困難が彼女にはに降りかかり続けます。

 

 

 

終盤

ちんぽが入らない人と交際して二十年が経つ。もうセックスをしなくていい。ちんぽが入るか入らないか、こだわらなくていい。子供を産もうとしなくていい。誰とも比べなくていい。張り合わなくていい。自分の好きなように生きていい。私たちには私たちの夫婦のかたちがある。少しずつだけれど、まだ迷うこともあるけれど、長いあいだ囚われていた考えから解放されるようになった。

引用: 夫のちんぽが入らない

彼女は20年という時を経て、やっと自分を認めてあげることが出来たのだと思います。周りの価値観がどうであれ、自分が一般的に普通ではなくても、それでいいのだと。

 

読後は、衝撃的なタイトル「夫のちんぽが入らない」の「入らない」の部分が違って見えました。

 

ただの事実だけではなく、作者こだまさんの一般的な人の輪にも「入れない」。世間一般の「普通」という枠組みにもにも「入れない」という悲痛な思いがこもっているように感じます。

 

 

 

まとめ

この小説は、結局なぜ夫を受け入れることが出来ないのか?そしてなぜ彼女たちが、病院に行くなどして積極的に問題を解決していかないのか?そういった明確な結論は、描かれていません。

 

そのことから、おそらく「普通」という部類に入り、それを特に特別と思っていない人から見たら、かなりイライラする作品でしょう。

 

当然私だって、ごちゃごちゃいう前に、行動に移したらいいのでは?という場面が何度もありました。学級崩壊にしろ、夫婦間の入らない問題にしろ、もう少し誰かの手を借りれば、違う結果が待っていたかもしれません。

 

しかし、彼女はそうはしなかった。自分の内に、ただただドロドロしたものをため込み、することも、誰かに打ち明けることもしなかった、いや「できなかった」。どうしても「できなかった」のだと私はこの本を読んで感じました。

 

レビューなどで、「早く病院に行け」や「こんなとことで自虐的小説を書くなんて不毛」という意見を多く目にしたが、そうではない。私はこの小説を書くということが、彼女の最大限の自己主張の仕方だったのだと思いました。

 

自分も「普通」という呪縛に、長い間しばりつけられていたから、彼女の気持ちが痛いほど良く分かります。先述した通りこの小説に、入らないことに対する回答や、彼女たちの今後に明確な結論を求める人には、消化不良を起こしてしまう作品ではあると思います。

 

しかし、彼女と同じまではいかなくても「普通」に苦しめられてきた人なら、確実に心を揺さぶられる本になっています。暗たんとした内容を、ユーモアと独特の切れのある語り口で、書き上げたこだまさんにエールと、大きな拍手を送ります。

 

そして、普通ということの呪縛に縛られている人がいたら、この本を読んで感じてい欲しい。大丈夫その苦しみを持っているのは、一人じゃないと。

 

 ここまで、お付き合いくださりありがとうございました。久しぶりに本を読んで感じることがあったので、一気に書き上げてしまいました。また、いい本があれば紹介していけたらな、と思います!

 

 

 

月城

 

※また、この記事はご指摘を頂き、一部削除、訂正をして再度投稿しています。